本を出版することになったいきさつ②


研修で訪れたカリフォルニアのビーチ。
デモクラティックスクール、サドベリースクールを学びながら、自分の受けてきた教育を振り返りながら子育てしていたころの私と子ども達。

本を出版することになったいきさつ①の続き

次に、『信頼と尊重のコミュニケーション~サドベリー教育が教えてくれたこと~』をまとめました。ホームスクーリングを選ぶ家庭から、子どもと接するときの方針に選んでいただき、親子関係がよくなっていると喜ばれている薄い小冊子です。

私はサドベリー教育についての内外の研修体験と、自身のスタッフ体験を経て、自分がスタッフ研修を担当するようにもなり、スタッフ研修のためにまとめたA4、1ページの箇条書き資料がありました。箇条書きのひとつひとつに私の体験や解説を付け加え、学校との関係に悩む家族と日本社会への祈りを付け加えると、2冊目の原稿が完成しました。

前回自費出版した経験とご縁があるので、前回よりもスムーズに素早く、デザイナーやイラストレーターさんと印刷用の原稿を完成させることができました。自分で印刷代他諸費用を出して自費出版しました。前の本を買ってくれた人や口コミで繋がった私の全然知らない方達が今度の小冊子も買ってくれました。サドベリー教育や多様な学び、子育て教育に関心のある方に繋がって、読んでいただいています。

冊数が増えるということは、だんだん自分の知らない人につながって、届いていくということです。それは不思議な感覚でした。

最初の自費出版からしばらく経ったある日のこと、市内を歩いていると、「木村さんですよね?私、小冊子を読みました!!^▽^」と、嬉しそうに声をかけていただきました。私の全然知らない人でしたので、とてもびっくりしました。その後、「私の全然知らない人が読んだりするんだ・・・」ということに気がついて、ヤマダ電機の大きなお店の前で転んだのをよく覚えています。気が付いたその一瞬に、全身が緊張したんです。何もないところで足がもつれ、見事に転んだんです。思い出すと笑ってしまいます。

やりたいことをやるときには恐れが出るといいますけど、私は原稿を書くとき、喜んでもらうところしか想像していないので、完成するまでは何も怖くないのです。
書きたいことがあるのに書けないという人は、初めから大きく考えすぎているのかもしれません。喜んでくれる人を想像して、友達の顔を思い浮かべてみてください。
「ちょっと長くなるんだけど、こんなこと、見つけたんだよ。」キーボードをたたく肩の力が抜けてくるのではないでしょうか。

そろそろ質問をいただいた方に、「あのー、それで出版社との関係は、、、?(-_-;)」って言われてしまうかもしれないのですけど、3冊目の本があるのです。

それはサドベリーとは全然関係ないように見える一冊の小冊子で、ネイティブアメリカンに伝わる民話をまとめたもの。読み聞かせ用に、音読のリズムにこだわりまくって一語一音を選んだものでした。そのリズムは行間の幅や改行、改ページのリズムまでも入れて作りこんだもので、これが紙媒体でなくなってしまったら、全く違う作品になってしまうという、とても繊細に作りこんだ世界でした。

どうしてそんなにこだわったかというと、ながーい時間、何世代にもわたって口伝で伝わってきた物語だったからなんです。声や身振り手振りで伝わってきた物語の世界を、可能な限りそのお話会の様子ごと伝えたかったのです。

語り手のポールさんとはサドベリー教育を通じて知り合いました。カリキュラムもテストもないサドベリー教育を通して私は、アーティストや研究者と知り合いました。ご縁の不思議、中でも類は友を呼ぶ、ということは時に人生を素敵に味付けしてくれます。
私はポールさんの来日の夢を、彼の部族の大切な集まりの場所であるメディスンハウスを修繕したい、寄付を集めたいという夢を応援すると決めて、彼のコンサートを主催しました。日本では名前を知られていないわけで、集客は困難でした。私の家についたポールさんは、何やら販売用の自分のCDにシールを貼っているのです。それは、国際的な賞を受賞したというシールでした。彼はその数年後、シアトルの交響楽団と一緒に演奏するなど、本当に大きな活躍をするアーティストでした。私はそんなことはつゆしらず、ただただ心の響くまま、感動のままにこの小冊子を綴ったのです。

物語の感動は木版画家の大久保草子さんに伝わり、作品が生まれました。私はそれを表紙や小冊子の中にいれさせていただきました。小冊子の完成に、草子さんは”民話とは 民族の文化を伝える「先祖の知恵」。「人も獣も、木も石も、みな自分たちをピープルだと思っている」
日本にも確かにある そんな文化を 今、改めて思い出すための必読の書。”と、力強い評を寄せてくださいました。

さて。本を書く、出版するということに戻って、この三冊目の本から何を言いたいかというと、私達が何かを夢見る時、その夢を叶えるために必要な力や繋がりは、ちゃんと自分の中にあるのだということなんです。これは、本に限らないと思います。もちろん、夢を持っても、それをやるかやらないかも自由で、実際の行動をとらないことには実現しないわけなのですけど。感動がそこにあって、繋がっていくのは、そこにあなたの魂の光や才能があるからなのだと思います。

そうこうするうちに3冊になった私の自費出版。これは私のキャリアであり、自己紹介の時にお渡しできるものともなりました。そしていよいよ出版関係の方との出会いが増えていくのです。(③へ続く